MOZU | |
あんく | 2006/10/13 |
プロデューサー:武田勝信 | ディレクター:猫手猫舌 |
シナリオ:烏童マリヤ | 原画・キャラクターデザイン:卯月新 |
「百舌鳥ノ贄」のリメイク作品(のようです)。 大正を時代背景とし、「復讐」をキーワードにしたエロ重視AVGです。 貴条家の養子として育った元貴族の主人公・貴条悠志郎。 貴条家には親切に育ててくれた養父母、そして義妹がいた。 貴条悠志郎はある事情により洋行することになるが、 その間に貴条家が破産し、それが原因で家族が死んだことを知る。 貴条家を破産させたのは5人の人物であり、それぞれが貴条家の財産で私腹を肥やしている そして…主人公・貴条悠志郎は5人の人物に対して「復讐」を…… という流れです。 物語は、5話構成のストーリーになっており、個々の話で1つの復讐が果たされる仕組みになっています。 更に、主人公が復讐以外の目的を達成されるかどうかで次話のストーリーが分岐しており、 実質的に8〜9話分のボリュームがあります。 例えば、同じ二章目だったとしても、 同じ設定を引き継ぎながらも登場人物が違ったり、復讐の手法が全く異なっていたりします。 そのため、極端に共通パートが少ないシナリオ構成と言えるでしょう。 また、同一の話内でもシナリオが分岐しており、更にはバッドエンドも存在するなど、 テキストボリュームで満足するゲーム…というよりかは、 シナリオボリュームで満足できるゲームと言えるでしょう。 内容的には「復讐」という言葉をキーワードにした単純明快な話です。 主人公が、ターゲットに対して直接「復讐」するのではなく、 ターゲットに関係した人物を手篭めにして、ターゲットの地位と名誉を汚すことが主な内容です。 主人公が自らの手を汚さない「復讐」ということに一貫していますが、 時にはターゲットが結果的に死亡して終結するケースもあります。 しかし、少なからず関係者のHシーンに発展したイベントがメインになってシナリオが進行します。 Hシーンは多種多様の内容になっていますが、 一般性はほとんんどなく、純愛的な和姦を望む人には向きません。 エンディングは、シナリオの目的がハッキリしているため、淡々として終結します。 各話毎に起承転結があるため、 (1ルートにつき)5話構成のオムニバスストーリーとして捉えるのが正解かもしれません。 |
絵は… オリジナルをプレイしてませんので、どこまで良くなっているのかは判断不能ですが、 やや古臭さを感じます。 塗りはやや雑に見えます。 1枚絵の表示は多いのですが、Hシーンが多いことが原因で、1枚絵のほとんどはエロ絵です。 しかし、絵とテキストが一致しない箇所があり、 (古いエロゲにはよくあるパターンということで)そういったところから古臭さを感じます。 立ち絵もやや雑であり、デッサン自体が古臭くも感じます。 立ち絵はアングル固定で表情は変わるものの1パターンしかありません。 更に、テキストと表情が一致しない箇所が目立ちすぎます。 そのため、やはり古臭さを感じる要因になっています。 システムは… あんくのインターフェイスからは後退している気がします。 昔のインターフェイスをそのまま流用しているのでしょうか? カーソルが選択肢で自動移動するのが強制のため、 クリックミスが多くなりました。 これが最大のストレスです。 また、既読判定も不可解な動作をします。 あと、エフェクトは切れるのですが、 場面の切り替わり時がやや遅く、この辺もストレスに感じます。 ボイスは、女性のみ…という仕様です。 BGMは作風に合っていると思います。 |
プレイした印象は、 細々とした部分で疑問を感じたり、ゲームとして古臭さを感じさせますが、 ゲームに集中してプレイできるほどの魅力があると思います。 素直に良作だと思います。 シナリオは、ハッキリ言ってしまえば、都合の良い展開を見せます。 「復讐」という割には他力本願な部分があり、 更に計画性が大きく欠落しているため、「復讐」という熱意が伝わってきません。 シナリオを読んでいても、これで復讐に発展するのだろうか? という疑問が常に付きまといます。 ただ、最終的には結果として「復讐」は完結するため、 私には単なる都合の良い展開ばかりを見せられている感じがしてなりません。 しかし、物語として各部分を見ていけば、 起承転結はしっかりとしていますし、 何より各登場人物の役割がハッキリとしているために、 人間関係の描写などは上手くいっている印象を受けました。 そして、その人間関係を主人公は自らの目的を果たすために利用していく話の流れであるため、 シナリオの核となる素材を上手く描写していると思います。 シナリオは、内容的に粗が目立ちます… が、あまり深く考えずにテキストを追っていれば、十分面白いと思える内容になっていると思います。 実質的な内容は、ほとんんどエロシーンに傾きますので、 エロシーンとシナリオの両立…という部分においては正解な作品でしょう。 ただ、一般性はないので、趣向が合わない人にはとことん肌に合わない内容だと思います。 趣向性から言うと、残忍なまでの描写を見せた座敷わらしのHシーンは中々良いかとw |