ヤミノカナタ
CALIGULA 2006/07/21
プロデューサー:山岡四郎 ディレクター:KK
シナリオ:稀文堂 キャラクターデザイン・原画:菊池政治
シナリオ監修:大和環 エグゼクティブプロデューサー:横田守

ヒロインを堕とす過程を中心に描いた陵辱系AVG。

悪友・脛川秀雄がネットを利用して、
ヤリたい時にヤレる…という環境を手に入れよう…
という提案から物語が始まります。

ネット上に会員制アングラサイトを立ち上げ、
主人公・千川和彦が実行役、その他のサポートを脛川秀雄という体制で、
サイトで公開するエロ動画を入手するために……
という展開になります。

ターゲットは主人公に縁のある人物達であり、
主人公の同級生・一条詩織
行きつけの喫茶店で働く・二宮彩
主人公に突っかかってきた・三枝瑠海香
大富豪の娘・四王寺小百合
と、他1名です。

ゲームは、4人の名前を選択することによって、
選んだヒロインのイベントが描かれていく…というタイプの進行になります。
イベントは選んだ回数で描写されていきますので、
イベントの前後関係はしっかりと描写された内容になっています。

主には、学校やネットカフェにおいて脛川と今後の指針を話すことから始まり、
その指針に沿って主人公が行動していく…
というパターンです。
最初は、ヒロインに関する情報を脛川と集めることから始め、
そしてその情報からヒロインを堕とす作戦を立てます。
それから主人公による陵辱を決行…
という流れを経由して、個別エンディングに向かいます。

傾向としては、
ヒロインに関する情報集め、そしてレイプを決行する作戦等を丁寧に描写した内容になっており、
このイベントを通して得られた情報・状況を利用して後半にイベントが展開していく…
というように、陵辱行為をするにも順序立てたシナリオ展開になっています。

しかし、序盤から順序立てて描写され、丁寧な作りであることが特徴ですが、
ゲームの目的がヒロインを堕とすことに集約されており、
その後の展開は、陵辱シーンが描写され続け、輪姦でフィニッシュする…
というやや短絡的な部分も垣間見えます。

エロシーンは、主人公主体のレイプ(一部で脛川。そして不特定多数と輪姦もアリ)が中心になります。
序盤から、ヒロインが最初にレイプされるまでエロシーンは当然ありません。
発生は中盤辺りからでしょうか…?
回数は、輪姦シーンを含め5シーン前後くらい。
ただ、シーンによってはやや淡白な描写で終わってしまうシーンもありますので、
一概にエロシーンがメインのゲーム…とは言い切れない印象を受けます
ヒロインは、全員処女であり、主人公の意向によりほぼ全て中出しです。

絵は、美麗です。
立ち絵は、4パターンくらいのバリエーションがあります。変化は普通…という程度。
ただ、会話の内容と表情が一致しない場面も見受けられます。
1枚絵は、イベント絵がほとんどなく、エロ絵が中心です。
構図的にエロさにやや欠けている印象を持ちますが、
菊池政治氏の絵が気に入っている人であれば問題はないでしょう。

システム面は、ほとんど不満は感じません。
フォントの大きさは普通ですが、文字は見易い方だと思います。

ボイスは女性のみという仕様です。
BGMは当たり障りのない音。

プレイした印象は、
そこそこ良い出来だと思います。
飽きることなくプレイが出来ました。

ゲームの目的が、陵辱(レイプ)をすることがメインではなく、
ヒロインを堕とす過程を楽しんでいく…という意図が見受けられます。
単純に陵辱シーンばかりのエロ重視作品ではない…ということが心象を良くしました。

主人公や脛川の思考や行動に嫌悪するかどうか…
あるいは感情移入し易いかどうか…
ということは別にして、
1つのストーリーとしては(エロゲにしては)良く出来た方だと思います。

しかし、ヒロイン数の割には同じような展開、ネタになる傾向があります。
特に脅すネタ……という根底となる部分が弱く、
四王寺小百合以外では、如何にも焼き増しした内容の陵辱ゲーム…という印象を持ちました。
また、色々と綿密に計画を練っている割には、
いざ決行となると計画性がほとんどムダになっています。
主人公の実行行動から考えて、計画する必要があったのか?
という疑問さえ出てきます。
計画中のネタが、後半の陵辱するための伏線に使われていたり…と、
やや展開にムダがあるように思います。

ゲームは、
単純なレイプもの……という傾向があります。
それに加えてエンディングは、ほとんど機能していません。
主人公がレイプする…という視点であり、
中盤でヒロインを手中に収めることに成功し、
そのまま後は陵辱するだけ…という展開です。
そのため、主人公達に都合の良い方向へシナリオが向かう…という展開であり、
主人公達に危機が訪れるような緊張感が全く感じ取られませんでした。
こういった部分での何らかの演出…みたいなものがあれば……と思うのですが……

しかし、ルート(四王寺小百合)によっては、
シナリオが機能しているものもありますので、
単純なレイプもの…とも言い切れないのも事実でしょう。

更に、主人公が置かれている状況を描いたルートもあります。
これは、他のルートの内容とは異色な内容となっており、
主人公が「愛」を見つける…という内容のものであり、
他のルートの路線とは一線を引くシナリオと言えるでしょう。
そのため、作品全体として見た場合は、多様な内容であったと感じ取ることが出来ます。

この手の作品にしては、コンプした後の満足感が残る内容でした。
内容的に粗は目立ちますが、飽きることなくプレイできた…ということで、
作品に惹かれる要素は兼ね備えていると思います。


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以下、日記からのログです。ネタバレの可能性あり

2006/07/23
「ヤミノカナタ」をインスコしました。
現在プレイ中です。
げっちゅ屋の作品紹介を見ていて、陵辱系のゲームだとは思っているのですが、
意外にシナリオの順序が丁寧に描かれていると思います。

肝心の部分での説得性…というのは、外している気もしますが、
レイプする経緯に至る過程が丁寧かな。
あと、主人公とその友人・脛川の考え方の嗜好とかを上手く描写していると思う。

説得性については、
主人公の性格が歪んでいる…の一言で片付けられるんですけどねw
そのために、継母との確執を描いているのか?

でも、まぁ、久々にこの手の作品で楽しめそうな内容であることに期待できそうだ。
「ヤミノカナタ」

〜〜四王寺小百合〜〜

大富豪・四王寺家の一人娘である四王寺小百合。
彼女を堕とす計画を脛川と目論む。

四王寺家に進入するために、協力者が必要と判断した主人公達は、
四王寺家のメイド・百衣弥生に目をつける。
百衣弥生は百衣建設の一人娘であったが、倒産し、父親も失踪。
その失踪事件をチラつかせながら、百衣弥生と接触を果たす。
そして、百衣弥生をレイプし、主人公達の協力者に仕立てる。
更に、百衣弥生の父親の失踪事件の黒幕が、四王寺家にあることを突き詰め、
百衣弥生に四王寺家に恨みをもたせる。

一方で、四王寺家に出入りできるようになった主人公は、
四王寺小百合をレイプ、調教。
そして……

という流れ。
最後は、四王寺家と立場の逆転した弥生の姿が描かれる。
ウ〜〜ン……レイプに持ち込む過程とかは丁寧に描写されているのだが、
あまり、徹底的なものを感じなかった。
エロの描写とかはまぁまぁ丁寧だと思うし、
そういった点は気にならなかったのだけど、
レイプ…だけで終わってしまったのがなぁ……
追い込む…というには、少し生ぬるい感じ。
まぁ、ヒロインがお嬢様で、Hに関してほとんど知識がなく、
レイプされるにも、レイプされている意識がない…
ということから物足りなかったのかも。
ヒロインが嫌がっていないんだな。これが。
堕とす…とか言いながらも、あんまし堕ちている気がしなかった。

最終的には輪姦レイプだったけど、描写が淡白だったかも。
ヒロインも、あんまし嫌がっていない…というのも……

で、結局は物足りない…ということで。
色々と過程が丁寧だったけど、肝心の部分が今一つだった。

でも、それなりに集中してプレイできたことには満足かな。
飽きはしなかった。
ヒロインや、それを取り巻く状況を丁寧に描写してくれていたおかげで、
大分ゲームに意識を向けられたのは良いよ。

2006/07/24
「ヤミノカナタ」

〜〜三枝瑠海香〜〜

ゲームセンターで出会ったコスプレオタクのヒロイン。
高飛車な態度に自己中心的で計算高い行動に腹を立てた主人公。
そして、脛川と計画を練る……

三枝瑠海香は取り巻きのファンがいるくらいの人気…
それを逆手に取り、三枝瑠海香に興味がないような素振りで距離をとり続け、
そして共通の話題で三枝瑠海香の方から食らい付かせる。

そして、安心させたところで、
コスプレイベント会場でレイプ。

その後、主人公と脛川は脅し続ける。
三枝瑠海香は逆にHに目覚めてしまい、Hすることに悦びを…

主人公と脛川は、更にエスカレートし、コスプレイベントで輪姦する計画に出る…

という流れ。
最後の最後まで、陵辱し続ける…という展開で、
あんまり終わった…という感じがない。
シナリオ的に何かに対して決着がついた…という展開でもなくという内容だった。
三枝瑠海香が堕ちるのは早かったので、結局エロイベントがダラダラと連なっているだけだった。

脅す…というにも、三枝瑠海香がHに目覚めて淫乱になってしまいますし、
主人公の三枝瑠海香に対する怒りも、
結局三枝瑠海香の生意気な態度…しかないわけで…

ウ〜〜ン……計画を練っているところまでは良かったんだけど、
その後が、都合よく事が運んで行ってしまうので、エロだけが強調されてしまった感じ。
また、エロも描写が物凄く淡白に感じるんだけど……

まぁ、主人公が陵辱する側からの視点だし、
こういうご都合的な展開になるのは当たり前か……

2006/07/25
「ヤミノカナタ」

〜〜一条詩織〜〜

主人公と同級生だった一条詩織。
定食屋の娘で、昔から主人公に少し気がある。

ある日、同窓会の幹事の役目で主人公に手伝って欲しいと相談される。
無邪気に接してくる一条詩織に対して、
潔癖な恋愛感を潰したいと企む主人公。

弱みを握るためにカメラの前で犯すように脛川に言われる。
そして、レイプを実行。
そのときに撮った画像で従順になる一条詩織。
その後は、主人公とのH(脛川が1回)が描かれて、最後は輪姦終了。

……なんか展開が他ルートとほとんど一緒のようだ。
脅す方法も一緒だし、
最後は不特定多数の輪姦レイプで終了

段々マンネリっぽく感じてきた
さすがに……(汗
「ヤミノカナタ」

〜〜二宮彩〜〜

喫茶店で兄と働く快活な女の子。
兄に密かな思いを寄せている。

二宮彩の家の住所を何とか聞き出した主人公は、
二宮彩の帰り道で襲い掛かりレイプ。

その後は、喫茶店でも襲い掛かる。
しかし、脛川はネタがつまらないと言い出す。
そして、最後は不特定多数で輪姦

まぁ……同じようなパターンだったかな。
脅すネタも同じだし……

そもそも、最初に家の鍵を入手する部分があまり意味をなしていない。
このイベントは最後に使われるんだけど、
当初の目的は、最初にレイプする計画中のことだったハズ。

それが、最初のレイプは公園で襲い掛かるものだったし、
家の鍵が使われたのは、
ラスト付近で、家に侵入してレイプ。そして家に帰ってきた兄に事の真相を気付かせる…というものだった。

どうも、描写的に遠回りな感じに思えてしまう。
計画も、物凄く練っているように見えて、
実際の実行になると短絡的になるというのがねぇ……
「ヤミノカナタ」

〜〜五ヶ瀬香澄〜〜

対人恐怖症。
誰とも交流を持たず、誰とも話をしようとしない女の子。

香澄を気になりだす主人公。
そんな香澄の過去には、
母親が父親を殺すのを目撃し、
母親が自殺するのを目撃した…という過去があった。

主人公は、香澄を犯したいという欲望からレイプをするが、
香澄は、無抵抗で無反応。
さらには主人公に好意を見せる始末…
そんな香澄に対して罪悪感が芽生えてきている……

一方で脛川は、香澄を電車で輪姦する計画を立てる。
しかし、主人公には無関心を装いながらも、
香澄に対する罪悪感から戸惑いを感じていた。

そんな中で、脛川の計画の実行をするときが来た……

という流れ。
これまで、陵辱を楽しむだけだった主人公が、
このルートでは、普通の反応をしない香澄に興味を持ち始め、
さらには、レイプすることにすら罪悪感を持つようになります。

電車の輪姦では、香澄が目の前でやられるのを…
という展開で、主人公が自分の気持ちに気付く場面でもあります。
まぁ、ここが一番の見せ場なんだけど、
素直に良い感じだったね。

その後は、境遇の似ていた主人公(目の前で母親が殺された)と香澄…
というのが補足されるけど、こっちはどうでもいいよ。

このルートはかなり楽しめました。

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