あえかなる世界の終わりに
キャラメルBOX 2005/12/22
シナリオ:ほしまる 原画:のり太

ある事件をきっかけに大きな事件に巻き込まれていく……という、ある種の推理モノに近い内容

ある程度のストーリー&設定、ゲーム背景を読んでおかないと序盤から理解不能です。
シナリオは1本道で、序盤から終盤に向けての伏線が張られており、ある程度細かい部分も覚えておかないといけません。シナリオ自体は、バラバラだったシナリオの要素が、終盤に向けて1つに集約していく…というパターンです。
やや、シナリオのテンポが悪く、また固有名詞が多いためにシナリオの世界に中々溶け込めない…という部分があります。しかし、中盤以降でそれまでのシナリオをしっかり理解していれば、シナリオの展開としては良好です。
事件性として、殺人事件が起こりますが、弱冠描写不足かやや緊張感が足りないような気がします。序盤から推理する材料を多く散りばめられ、中盤ではそれを用いて推理の予測が立てることが出来ますが、決定的な材料を与えられていない…という部分で、終盤まで読まないといけません。そういった部分で、この作品の世界観にのめり込んで行く……というようなシナリオ構成でした。
イベントは次々に発生し、それがほとんどゲーム内に関係する事象…ということで、シナリオ的には飽きさせない作りになっています。


立ち絵は、どことなく肩をはったようなぎこちなさを感じます。立ち絵のポーズは2〜3パターンであとは表情違い。しかし、ゲーム進行時の立ち絵の変化はあまり感じられません。
背景は…委託でしょうか…?前作は結構上手いと思いましたが今回はさほど上手い背景には見えません。
絵が作風に全く合っていません。この世界観に合う原画家を起用するべきです。この作品の原画ではとてもこの世界観を上手く表現できているとは思えません

フォントが大きくないですが、デフォルトの状態で文字が読み易いような設定になっています。しかし、やはりフルスクリーンの方が見やすいことは確か。

ボイスは女性のみ。BGMは作風に合っているものもあれば合っていない場面もあります。販売会社が同じためか、同じ販売会社内の異ブランド作品のBGMの流用がありますが、もう少し作風に合った選曲というのが必要かと思います。そのBGMとは違うものでも……どことなく過去に聞いたっぽいBGMがあるように思いますが気のせいでしょうか…


プレイした印象は、良作です。
シナリオの流れとしては良い感じです。しかし、詰めの甘さが目立ちます。 イベントを次々に発生させ、そしてやや緊張感ある展開に仕上げたということで、序盤からラストまで飽きることなくプレイできたことは賞賛に値します。しかし、そのシナリオですが、序盤でかなり敷居が高く感じます。まず、この世界独特の固有名詞が多くて初回プレイでは理解し難い部分が多くあります。余分な記述がかなり多く、言い回しも回りくどいです。また、そういった部分に固有名詞も多いため、理解するのに苦しみます。もう少しゲームをプレイしている人のことを考えた文章にしてもらいたいです。実際、途中で理解できなくなったので中断し再プレイしましたが、それでようやく理解できるようになりました。
中盤以降は、作品の世界観に引き込まれました。ただ、伏線を多く張っている割には、その撒いたものが終盤で説明されることなく終わってしまうものも幾つかあります。そのため、あまり深く考えてプレイしなければ、面白い内容のまま終わりますが、深く考えてしまうと色々と説明の付かない部分が多くなってしまうため、弱冠行き当たりばったりのシナリオ構成である…という感は否めません。個人的に終盤は急ぎすぎです。また、途中までは順調だったのですが、最後の○○○の登場で、説明の付かないことが余計に増えた…と思います(表面上は解決してしまったが)。もう少し登場人物の目的をしっかりと設定し、伏線は行き当たりばったりにせずに行動は常に登場人物の思惑に適合するよう計算し、構成するようにして欲しいです。
ビジュアル面では、イベントCGが極端に少ないという印象です。立ち絵とテキスト処理が主軸という仕様で、もう少しイベントCGを挟んで欲しいと思います。また、原画が全く世界観を表現しきれていません。いわゆる萌絵なのですが……作風とは明らかに掛け離れています。イベントCGが少ないのも原画の力量不足…と思わざる得ません。
あとは、演出面。状況に合う場面場面のBGMの選択がなっていません。
シナリオ構成としては中々良い出来であったため、全体の仕上りが残念です。こういった作品を上手く作る制作会社であれば名作に成り得たかもしれません。ひじょうに勿体無いですね……


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