恋愛病 それでも僕らは恋してく……
C-side 2005/12/16
シナリオ:香津野理似(TEAM N.G.X) 原画:西崎えいむ

序盤から即行ヒロインと付き合うことになります。
よって、付き合うまでの過程を描いた作品ではなく、付き合うことになってからの過程を中心に描いた作品です。主人公の心理描写が丁寧にされているわけでもなく、ヒロインとの会話を通しての恋愛の過程を描いた…という感じです。
シナリオにほとんど起伏はありませんが、タイトルの恋愛病にちなんで一波乱あります。しかし、描写不足で鬱っぽさが伝わってきません。
主人公は悩みながらも流され続け、一通りのヒロインと関係を持ちます。最後に修羅場らしきものはありますが……


立ち絵の塗りが手抜きです。しかも、ポーズにかなり不自然さを醸し出しているのが混じっています。1枚絵も同様に塗りが手抜きです。美麗に見えません。エロシーンの1枚絵の構図は意外に良い感じですが……

画像エフェクトが切れません。テキスト送りはさほど不満は感じません。
セーブ画面で右クリックで戻る…というのが出来ません。またctrlによる強制スキップも出来ません。操作性が全体的に悪いインターフェイスと感じます。

ボイスは主人公以外のフルボイス。BGMは作風に合っているとは思いません。場面が切り替わっても、ほとんど同じBGMが鳴り続けるパターンが多いです。音自体は当たり障りのない音ですが、”恋愛”という言葉だけに見立てた音に思います。よって軽いノリの会話が続く部分では、そういった音はかなり不向きに感じます。また、同じBGMが流れる時間も長く、結構苦痛です。音域の幅が狭く低音と高音が聞こえません。いかにもシンセっぽい作られた音です。


プレイした印象は、普通〜地雷の中間ぐらいの出来です。
全体的に拙い感じのするチープなゲームという感じです。
プレイ開始時は普通に他人の日記をただ単に読んでるだけ…という印象でゲームが進みます。
ヒロインに告白し、そして友人からアドバイスを受け…というような流れが事細かに描かれているのですが、ゲームシナリオでそういったことを書かれても退屈なだけです。会話内容も、どうでもいいことを話しているだけで、ゲームをプレイしているという感覚が伝わってきません。リアルな恋愛模様を描く…という部分では正解かもしれませんが、わざわざ金を払ってプレイするゲーム内容には思えません。
まだ、恋愛小説レベルならいいんですが…個人的には単なる日記に見えます。
途中から恋愛病にちなんだ展開が待っていますが、キャラクターの相関関係を考えれば、支離滅裂な展開でした。取り合えず、主人公は流され過ぎですし、そういった展開に持ち込んだライターの意図が全く見えてきません。
人が死ぬ=鬱展開
というような狙いがあるのでしょうが、描写不良で全く鬱に感じませんし、結末から見てもそういった展開に持ち込む必要性のないシナリオだと思います。
そもそも、タイトルになっている恋愛病…というのに信憑性がなく、胡散臭さ満点です。
ラストの展開も、かなり疑問です。最初から最後まで状況に流され続ける主人公…という感じで、ヒロインと縁りを戻すのも浮気相手の方から手を引くという始末。
しかし…何も考えずにプレイすれば、面白い部類には入るかも……

追)このゲームで出てくる電車って…大阪の地下鉄ですな…。それが地上を走ってると言ったら……かなり場所が限定されてしまいますが……


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