ぷりサガ!〜ボクの妃は×××〜 | |
DisAbel | 2006/07/28 |
シナリオ:非公開 | 原画:龍牙翔 |
ヒロインと陰謀に立ち向かいながら結ばれていく…という内容のAVG。 剣、魔法、王国というようなファンタジーの世界観を背景にしています。 主人公は王立アルケミスト養成学校に通う見習い剣士。 しかし、本当は王国の第二王子であることを隠している。 ある時、第一王子である兄が海難事故に遭い行方不明の事態に… そして、主人公が王位を継承するために、 学校を最高成績で卒業し、王妃も決めなければならない…… という流れです。 ゲームはマップ上のキャラを選択していくオーソドックスな形式です。 マップ上にヒロインが表示されている親切な設計で、 これを選んでいくことによってイベントが展開して行きます。 ヒロインは、 ミランダ=グレイス=アリシューザ ガーベラ=ガーベルハイト ジェシカ=オルティス エルザ=フォルケンバウアー アリーシャ=ヴァジェラ の5人であり、オマケとして他に1人追加されます。 シナリオの傾向としては、 ヒロイン達の抱える身辺上の苦悩を主人公と一緒に打開していく… 更には、主人公の立場に関係する陰謀をヒロインと一緒に立ち向かっていく… というような内容が主軸になります。 シナリオは、シリアス路線の方向性になっています。 雰囲気的には、ヒロインとの恋愛的な部分も絡ませながら…の展開にはなっています。 ただ、ヒロインの方からの一方的な思い……という傾向が強いために、 丁寧な恋愛の描写があるわけではありません。 エロは、各ヒロインにつき2回になっています。 ヒロインルートに入ってからの後半ですので、位置付けとしてはオマケでしょう。 描写の丁寧さは普通のレベルだと思います。 しかし…選択肢で「中/外」を選ばされることがありますが、 差分が存在しない箇所が多い…というのはどういうことなんでしょうか?? |
絵は、美麗のレベルです。 しかし、絵によって弱冠の塗りの違いが見られます。 更に原画は、龍牙翔さん1人だけが公開されているものの、 明らかに龍牙翔さんとは違う絵のタッチの異なったキャラ(ヒロインで2人)が混じっています。 Abelにおけるスタッフの公開の仕方がこれまでにも露骨にオカシイのですが、 外部スタッフだけを公開するAbelの方法だと、 下手な絵でも龍牙翔さんの絵だと思われてしまうでしょう。 サブキャラの男性キャラも明らかに龍牙翔さんの絵とは違います 立ち絵は、2ポーズのみです。 しかし、ほぼ1ポーズに固定されており、 表情の変化もテキストに合わせて変化する気配がほとんどありません。 全体的に変化に乏しく、演出面は散々にダメな部類に入るでしょう。 1枚絵の枚数は少ないです。 エロ絵は、3〜4枚ぐらいの種類しかなく、 1キャラのCG枚数でも10種類前後です。 CGモードでは、CG差分の枚数で誤魔化された仕様になっています。 更に、中/外の差分の無い箇所があります。 中/外の選択肢を選ばせておきながら、 中も外も差分が存在しないという摩訶不思議な仕様になっています。 システム面では、黒フォントがメッセージウィンドウに同化していて読み難いです。 ボイスはヒロインのみという仕様です。 BGMは当たり障りの無い音。 |
プレイした印象は、 可もなく不可もなく普通の出来…です。 OHPにはSLGというような育成シュミレーションという位置付けになっています …が、そういった部分は皆無であり、極々普通のオーソドックスなAVGでした。 シナリオは行き当たりばったり…という傾向が強く出ています。 イベントは尻切れした展開になっており、 突如として次のシーンに移っているように感じさせる展開です。 更に、ヒロインとの会話にしても、身の上話という事務的な会話が多く、 独特の固有名詞と相俟ってテキストを読む気力が削がれます。 そして、作風から緊張感が感じ取られず、 単にテキストを読む作業に徹するだけになります 中盤から新しいキャラが登場します。 立ち絵からして明らかに……という雰囲気がプンプンしており、 それが後半の展開にドンピシャのストラークゾーンへ突き進む予定調和な展開へと発展します。 ただ、ヒロインルートによって、位置付けや役割が変化しており、 シナリオ上都合よく存在する悪役キャラを担わされているだけ…というやや短絡的な扱い方です。 ネタ的な部分がそれぞれ、シナリオの都合で変化する傾向になっており、 ヒロインとの部分を絡ませる…という部分では正解かもしれませんが、 根底となる設定に統一感がありません。 しかし、順序立てたシナリオの展開は、 何も考えずに読み進めていけば、不自然さは気にならないレベルであり、 陰謀の内容はどうであれ、 起承転結のハッキリとした展開に目的のハッキリとしたエンディングは、 スッキリと終わった…と印象付けてくれる爽快な内容だと思います。 あとは絵による演出がなっていません。 立ち絵がほとんど固定されており、 立ち絵+テキスト処理の部分が苦痛です。 更にイベント絵が必要な箇所にCGがなかったり、 戦いの部分でも、効果音だけで処理してしまうという短絡さが目立ちます。 こういう部分で、もう少し 「作り込んでいる」 というゲームとして最低限のものを提示して欲しいです。 絵が、龍牙翔さんの原画だけに勿体無いです。 ゲームは、突出した何か…というものが皆無であり、 原画が良い分、絵はそこそこは見せる… シナリオは淡々と読んでいけばそこそこの内容… というような普通っぽさが醸し出された作品でした。 |