群青の空を越えて
light 2005/9/30
シナリオ:早狩武志 原画:黒鷲

空軍の予科学校(?)らしきところを舞台にした恋愛AVG(?)という話。

シナリオは、全体的に中途半端な感じを受けます。
序盤は、意味不明の専門用語らしき言葉が連なれたり、表現的に回りくどかったり、余分な会話が多かったり…ということで、シナリオの展開は遅々として進まず…という感じになります。また、出だしが出だしだけに、ゲームをプレイするにはあらかじめ何かしらのシナリオのあらすじを把握しないといけない展開です。序盤ですでにシナリオの大筋を判りきっていることが前提で展開するので、何の知識も持たずにプレイするとかなり戸惑います。また、突如として戦闘機による戦闘シーンっぽいのが挿入されるのですが、臨場感が圧倒的に足りませんし、そもそも何でそういった場面になっているのか理解できません(単なる演習??)
これだと、単に表面上ミリタリーっぽい雰囲気だけを楽しむ……ということしか受け止められません。
ヒロインのルートが確定してくると作風の雰囲気が変化し、単なる恋愛AVGの展開が挿入されていきます。これは、ヒロインとのエロシーンに持って行くための展開だということは明らかなのですが、しかし序盤をプレイしてきた部分とのギャップ差が大きく、物凄く浮いた展開です。よって、このゲームシナリオにおいて、ライターが結局何を描きたかったのか……というのが判り難い作品です。
エロは後半に集中。エロシーンに到達するまでが長いです。鬼畜性は皆無。CGは若干使い回しの傾向があります


絵は、塗りが若干独特です。影の付け方がかなり不自然に見えますし、クオリティも低いです。また、キャラクターに魅力を感じません。CGの描写数が少ないのも、いつものlight作品の悪い部分が出ています。CGは1枚絵の表示が極端に少なく、ほとんどエロシーンだけ…というのが納得いきません。テキストと立ち絵でほとんど処理され展開していくので、ひたすらどうでもいい会話内容を読まされている…という印象になります。そのため、ビジュアル的に表現力の足りない作品という印象を受けます。

システム面は、良くも悪くもいつものlightのシステムです。実質、フォントが小さくて見辛いです。また、カーソルもWindowsの標準カーソルではなく、更に目立ち難いので印象が悪いです。画像エフェクトが切れません。立ち絵の切り替わり時にストレスを感じます。画像エフェクトが切れないためクリック時のレスポンスが悪く、やはりストレスです。

ボイスは、主人公含むフルボイス。しかし、ボイスは少し違和感を受けました。男性キャラがかなり不自然に思います。


プレイした印象は、地雷ゲ。あらゆる部分において、クオリティが足りていない印象を受けました。まずシナリオですが、よっぽど航空機(戦闘機)が好きでないと耐えられません。ゲーム設定も限りなくフィクションなのが明らかであり、その状況を読み取るのに苦労します。もう少し冒頭でプレイヤーに判り易く理解できるように誘導しないとダメだと思います。
シナリオにおいては、こういうシナリ展開は個人的に好きではないです。
何かしら知識めいたものを提示している…というのは理解できますが、ミリタリー系に興味のない人間にとっては結局どうでもいいことです。そのため、シナリオの核となる部分だけを見ると、実のないシナリオ展開であり、空洞化している内容だと映りました。そもそも、会話に緊張感がないのでミリタリー系にしては”お遊戯の時間です”…みたいな馴れ合いの印象しか持てません。
ビジュアル面もダメです。まず、テキストと立ち絵処理を基軸に持ってきている割には、その立ち絵がお粗末です。また、イベントCGが圧倒的に足りていない…という部分を見ると、正直プレイしていても物凄く飽きます。
単に戦闘機の戦闘シーン、学園モノを合わせただけで、プレイしていてもゲームクリエイターの自己満足に付き合わされた…という感だけが残りました


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