Nursery Rhyme −ナーサリィ☆ライム−
Lump of Sugar 2005/11/25
シナリオ:渋澤晴明/秋史恭/高嶋栄二/大三元 原画:萌木原ふみたけ

幼馴染の女の子の家に下宿することになった主人公。そして楽しい学園生活を…という内容。

学園純愛系のAVG。ドタバタ系ではなく、日常的な学園生活、日常会話を楽しむ…という趣向の展開。シナリオは平坦で起伏もなく、序盤の展開がそのまま最後まで突き進みます。そのため、ヒロインとの日常生活、日常会話が楽しめるかどうか……というのがこのゲームシナリオのキーポイントになります。会話は、ヒロイン単独との会話…というのは少なく、複数人による日常会話が主軸です。
ヒロインのいる所に下宿することになった…という展開のため、お約束的なハプニングイベントが数多くあります。ただ、そのハプニングイベントですが、後々まで影響することのない単発イベントのため、もう少しシナリオの展開で引っ張るぐらいのものが欲しいです。かなり物足りないままイベントが終了してしまう傾向に……


絵は、全体的に良い感じです。立ち絵もバリエーションは揃えているのは確認できますが、実際は表情の違いの部分の変化が多いように見えます。キャラの作りもデザインも不満は感じませんでした。

テキスト送りについては不満はありませんが、キャラによって文字色が違う…という仕様に中々慣れませんでした。また、文字が大きいというのは好印象ですが、文字色によってはアンチエイリアスが邪魔して文字が見え難くなっています。この辺は設定で変更できる仕様にするべきだと思います。個人的には全て黒字が望ましいです。それ以外では、ストレスは感じません。かなり快適にプレイできました。

ボイスは、女性のみという仕様。キャラによっては高音域が強調されているのため、ボイスを再生していると不快な印象を受けます。
BGMは作風に合っているという印象ですが、ラストの方になると……選曲が手抜きと思えるような部分がチラホラ……。オープニング曲は、高音が強調されている音作りで耳障りな印象を受けます。


プレイした印象は、地雷ゲ。
激しく肌に合わないゲームでした。日常会話がとてつもなく面白くありません。ドタバタ系でもなく、ギャグもなく…ということで、そういった日常会話が延々と続くのには耐えられません。
シナリオ上の目的が今一つハッキリしない内容です。プレイする限り、日常会話をただ単に楽しむ……という趣旨以外のものが見つかりません。よって、プレイ開始直後から飽きてしまう内容です。シナリオは、イベントにおける前後の繋がりがなく、1つ1つのイベントをただ単に連ねているだけ…という感は否めません。そういった単発イベントが多いために、印象に残るほどのシナリオの展開が皆無であり、ひたすらテキストを読まされているだけ…という気がします。
エンディングも大して惹きつけられるものを感じませんでした。ラストになれば弱冠シナリオが展開し出しますが、序盤よりマシ…という程度です。
ビジュアル面でも、やや物足りなさを感じます。イベントCGの配分がかなり悪い…という感じです。ほとんどが後半に集中しており、前半から中盤にかけてはテキストと立ち絵の処理で、さらに日常会話のみ…というパターンが主になるため、激しく飽きてきます。
サブキャラの存在もダメな要素の一因です。存在感のないサブキャラなんてものは、出さない方がまだマシです。そもそも、自己主張の欠片も感じさせないサブキャラなんて存在意義が全くありません。
実質、絵だけ…というゲームです。絵が相当気に入った人であれば問題は無いでしょう。あと、日常会話だけでも満足できる人も。
結局、そういった雰囲気を楽しむだけ…という感じです。


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