モノを擬人化する力を身につけた主人公。総勢11人の生活が始まる…という話。

序盤からドタバタ系ギャグの軽快なノリでシナリオが進みます。日常会話・雑談メインですが会話はテンポ良く進みます。序盤から、主人公の擬人化する力で次々とモノ達が擬人化しHシーンが発生します。モノ達以外の登場人物は、義理の妹、義理の姉、そして隣に引越ししてきた謎の人物・葉月メノウという人物構成です。この3人はルート確定してからの終盤のみのHシーンです。
シナリオに起伏はなく、ひたすらヒロインとモノ達の軽快な会話がラストまで続きます。
ラストは、葉月メノウだけがシナリオに展開があります。やや感動系っぽい作りになっていますが、それ以外のヒロインは序盤の勢いがそのままラストまで続く…という感じです。

絵は、キャラ的には萌絵…でしょうか…。しかし、登場キャラが多いために顔の区別がさほどハッキリしません。立ち絵のバリエーションはそこそこあり、また表情違いも多いです。イベントCGは少なく、ほとんどがHシーンのCGになってしまいますが、立ち絵とテキストの処理でも、やはり頻繁に表情が変わる…あるいはギャグ系の軽快な会話のおかげで、さほどイベントCGの少なさは目に付きません。
Hシーンは一部でアニメ処理になります。部分的なアニメではなく全体が動くアニメですが、動きは非常に単調です。アニメ自体は美麗の範疇にあります。ただ、やや圧縮しているのが丸判りで、画像のモアレが気になります（ただ、ファルダ内を見ると…そのままMpegです……）。アニメのシーンは意外に多く、物足りなさ…というとやはり単調な動き…ということぐらいでしょうか。

システム面は、気になりません。快適にプレイできました。

ボイスは女性のみです。キャラに合っているという印象。BGMは全体的に軽快な音で、作風に合っています。

プレイした印象は、普通〜良作の中間ぐらいでしょうか。
シナリオに展開はなく、シナリオ上で決定的な面白さというのはありません。ただ、明らかなドタバタ系であるということ、またギャグ系のノリで、大笑い…とまでは行きませんが、十分笑える範疇にありますし、ビジュアル面での健闘（立ち絵の変化、アニメ）ということを考慮に入れるとさほど悪くはない作品でした。
シナリオは、葉月メノウのルートがそこそこ良い出来に仕上がっています。それ以外のルートでは期待できないシナリオである…というのがやや勿体無い感じです。
設定が擬人化ということですが、この作品において擬人化という部分が単に登場人物を増やすだけの設定…というところが残念です。もう少し、擬人化であれば擬人化特有のシナリオを用意して欲しい…というのを望みます。少なくとも、同社のタイトル”へんし〜ん”にはそういった特有のものを感じましたが、今回はさほど擬人化というのが重要であるとは思えません。
ドタバタ系のノリが好きで、鬱展開が嫌いな人向け…という感じですかね