ゆ・め・く・み! 〜訳あり物件、妖精つき〜
Meteor 2006/1/27
シナリオ:神堂劾/沢柾機 原画:Yuyi

妖精のいる家に住むことになった主人公。精気を欲する妖精達は…という内容

シナリオ設定云々より如何にもエロをメインにしたというゲーム内容です。
序盤からHシーンは発生しますが、そこに至る過程はかなり強引な感じに進みます。設定自体に妖精のフェロモンでヒロイン達がエッチな気分になる…ということで、何の脈絡もなくHシーンが発生してしまう…というのは仕様でしょう。
シナリオ自体は、シナリオが進んでも目的が今一つハッキリしない内容です。前半は妖精とのHなコミュニケーションと、主人公の学園での日常的な生活が綴られているだけで、後半はヒロインとの恋仲になる…という展開です。前半の日常的な部分は、ドタバタっぽい雰囲気はありますがギャグ系ではないために単に騒がしいだけという感じで面白味がありません。
全体的にややダラダラと進行する感じを受け、シナリオの展開も起伏がなく平坦です。根本的に主人公や登場キャラの心理描写がなく、単にイベントらしきものが書き連ねられているだけという印象です。
シナリオのラストは感動系っぽい展開には持って行っています。
シナリオの描写が拙いということや、エロシーンが多いということを考えるとエロがメインの作品と見た方が無難です。エロシーンは序盤から適度に発生します。ただ、シナリオが無駄に長いのでエロシーンに到達するにも道程が長いですが……


絵は、標準以上の出来だと思います。しかし、キャラの顔はどれも似たり寄ったりで、原画に描き分ける力が不足しています。また、サブキャラの男は少し手抜きに見えます。
立ち絵は変化に乏しい感じを受けます。ポーズのパターンで…1〜2パターンぐらいでしょうか…。表情の変化は普通に変化するというレベルです。
1枚絵のイベント絵は適度に挿入されていますが、シナリオがムダに長いのでどちらかと言うとテキスト+立ち絵の処理がメインです。エロ絵は、アングル的にエロイ絵もありますが、構図的にイマイチなのも混じっています。

システムメニューは痒いところに手の届いた作りで、カスタマー性に富んでいます。文字の見易さはこれでかなり改善できます。
画像エフェクトを切る設定はありますが、画像処理が遅いです。そのため、クリック時のレスポンスが悪いのでストレスを感じます。

BGMは当たり障りのない音。
ボイスは主人公以外のフルボイス仕様です。


プレイした印象は、普通〜地雷の中間ぐらいの出来です。
不要な描写が多く、中身が薄く感じます。展開に起伏がありませんし、序盤で飽きます。展開・設定が強引で作品に惹かれる要素がありません。会話は不毛な会話内容で、学園の日常的な生活もダラダラと描かれるだけに思います。
エロシーンに入るにも、その場面を展開する理由付けがなく、最終的には”妖精のフェロモンが原因”の一言で決着してしまう始末には呆れてしまいます。シナリオ自体はエロシーンのために展開しているだけで、根本的に起承転結がありません。またエロシーンのためのシナリオなので、シナリオ自体が無駄に助長されているという印象を強く受けます。
ヒロインとの関係の描写もかなり不足しているという印象を受けました。告白して付き合うにも、それに至る過程が描写されていません。好きになったという理由付けは一応されているものの、過程が描写不良なだけに説得力が全くありません。
エンディングは、まとめ方が下手に思います。感動系っぽくはまとめていますが、それまでの過程が淡々としているだけに感情移入はできませんでした。ラストだけそれっぽくまとめられても感動できるはずはありません。また、メインヒロイン3人のルートですが、ラストの展開の仕方が同じだというのもNGです。勿論内容は違いますが、感動させるための手法が全く同じです。
印象としては、最後までダラダラとして盛り上がりに欠ける内容だった…ということです。そして、共通パートは6割ぐらいで、あとはCG回収が面倒というのが付き纏うゲームでした。
エロシーンが多いので、鬼畜性のない純愛エロを楽しみたい人向けです。あとは……処女スキーな人向け…でしょうか…(エロの内容的に処女はあまり関係してないようにも見えますが)


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