夏空少女
mixed up 2005/10/14
シナリオ:非公開 原画:やすゆき/水原優/桜咲ももこ

人間を構成させる教育者として施設に赴任してきた主人公。そこで、主人公の衝撃の真実を知ることになる…という話。

シナリオは”楽園”という言葉をキーワードにして、人間にとっての楽園とは何か…ということを問いかけたシナリオ構成になっています。設定がフィクションでやや取っ付き難い感じはあります。
まず、人間を管理するエデンというシステム。そして、そこでの考えからあぶれた人間を更正する施設のリクライムガーデン。後々でこのエデンの概念と、この更正施設で行われていること、そして主人公の真の姿…というのが絡み合い最後に本当の楽園とは何か?…ということを問いかけています。
しかし、実際にはゲーム序盤からシナリオが遅々として進まず…という展開です。ほとんどが、雑談っぽい会話と、日常会話的なもので時間が潰れていきます。
ラストの描写は、ゲーム設定的なネタバレ…というより、主人公主体の視点で描かれており、どちらかと言うとやはり”楽園”ということをキーワードにした終結の仕方です。


立ち絵にはバリエーションがあり、変化も大きいので良好です。1枚絵のイベント絵の枚数は普通の多さですが、CGの総枚数は少ないという印象です。話がほぼ1本道ということが原因かと思います。

システム面は、画像エフェクトが切れないというのが、かなりのストレスを感じます。画面効果が掛かるときにインターフェイスがやや重いです。BGM、音声を切ると結構軽くなりますが…
また文字が小さく、メッセージウィンドウの透過度も変更できないので文字がひじょうに見難い作りです。

ボイスは、主人公以外のフルボイス仕様。BGMは当たり障りのない音です。


プレイした印象は、普通〜地雷という出来。
中身が空洞化しているという印象です。シナリオはラストだけが展開しており、途中の過程はかなり退屈な内容です。日常会話的な部分が多く、肝心のシナリオの部分に関する重要な事柄が少ない…という印象です。また、キャラクターに魅力を感じません。シリアスなシナリオによく陥りやすい傾向が如実に出ており、各キャラの特徴が全く見出せない印象を受けました。
ラストの展開もありふれた内容で、意外性がなく面白味を感じませんでした。この系統のシナリオにありがちなライターの自己満足的展開です。やはり、もう少しその経緯に至る、説得性のある説明が欲しいところ。フィクションの世界を描くのは勝手ですが、もう少し世界観を煮詰めた設定にして欲しいですね。
シナリオは基本的に1本道で、共通パートが多いです。それぞれのルートでわかるこのゲーム設定のネタバレはそれぞれ違うので、全てのルートをプレイしてようやく全体像が見えてくる…という感じですかね……
ちなみにHシーンはラスト周辺にしかありません


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