愛のチカラ
SILKY'S 2005/11/18
シナリオ:伊藤秋廣/松山千秋 原画:しえら

病院の資材を販売する営業マンの主人公。病院で出会った看護婦、高梨かれんに惹かれていくが、一方で主人公の異常な性癖が目覚めていく…という内容。

シナリオは、序盤から高梨かれんを想う主人公の行動が描かれています。話は基本的に1本道で、基本となるシナリオから逸れると即、簡易エンディングに向かいます。そのため、基本となるシナリオの筋はしっかりしており、1つの物語(小説)を読ませるような気分を味わえます。しかし、ほとんどの選択肢でエンディング分岐してしまうゲーム仕様が弱冠、煩わしさを感じます。 序盤は主人公と高梨かれんのすれ違いの状況が上手く表現され、更に病院内で起こっている状況からプレイヤーに寝取られ系のシナリオ構成を臭わせる進行に持って行っているのが上手いです。更に主人公が逆にいつの間にか寝取られているという流れを自然に演出しているのも良い感じです。
しかし、中盤以降で主人公の異常な性癖を主にしたシナリオが展開し、内容的に序盤から中盤にかけて見られた起伏のあるシナリオの展開が全くありません。中盤以降は徐々にエスカレートをしていく主人公の性癖(エロシーン)が単に描写されるだけの内容になっています。


絵は、1枚絵はほぼエロ絵しかありませんが、構図的に秀逸でエロイです。ただ、絵(構図)によってはヒロインが少しポッチャリした体系に見えるのが描き込み不足を感じる所でしょうか……
立ち絵は全くバリエーションがないのですが、ゲーム全体を通してプレイしてもさほど気にはなりません。しかし、背景がかなり手抜きの状態なので、立ち絵より手抜きの背景に目が行ってしまいます(誤魔化されているだけかも……)

システム面は、テキスト進行にはほとんど不満は感じません。しかし、インターフェイスがやたらと重く、他ソフトの関係で突如フリーズしてしまうこともありました。

ボイスは主人公以外のフルボイス仕様。キャラとの違和感は受けず、良い感じです。
BGMは作風に合っているという印象です。


プレイした印象は、普通〜良作の普通寄りの出来という感じ。
序盤で、高梨かれんを天使として見ていた主人公が、ゲーム後半になってその天使を調教する……というギャップをシナリオ全体を通して演出しているのは理解できますが、何分、後半のシナリオがエロ・調教部分しかないのでシナリオ前半の展開が浮いているように映ります。そういった部分で、シナリオの前半と後半を上手く繋げていればこの作品はもっと良いように仕上がっていたかと思います。現状では、シナリオ前半〜中盤にかけての起伏あるシナリオ展開が、後半の単純にエロシーンしかない展開に意味をもたらしている雰囲気が全くなく、前半は前半でシナリオを楽しむ、後半は後半でシナリオを楽しむ…というような2つの違う作品を単に繋げただけ…という中途半端な印象しか持てません。
個人的に後半の高梨かれんが堕ちていく様を描いている内容は不要です。それであれば、ルート分岐で別のシナリオを用意して欲しかった…という感が強く残りました。実質、そういった内容の分岐はありますが、簡易エンディングということで完全な描写不良です。つまりは、1本道のシナリオに固定した…というのが逆に仇になっているかと感じます。特に前半のシナリオの流れは秀逸だっただけに、最終的なシナリオがかなり勿体無い出来に見えます。
ゲームはどちらかと言うと、エロシーンが丁寧に描写されているので、そういったものを重視する人向け。主人公の性癖は少し異常という感じで徹底した鬼畜性はほとんどないため、鬼畜性を必要とする人には物足りないかと思います。ある意味…純愛を突き通した行為(表現)ってところでしょうか……。


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