愛姉妹〜どっちにするの!!〜 | |
シルキーズ | 2006/10/27 |
シナリオ:Kazoo | 原画・キャラクターデザイン:さめだ小判 |
学園系ドタバタ風のAVG。 非常にアニメ然とした設定の目立つ作品です。 主人公・新城隆哉は、あるとき謎の生物・りんぐから次の土地神候補に選ばれたと宣告される。 土地神になる条件として、11日間内に主人公の童貞を捨てることだった。 しかし、厄介な事態に巻き込まれたと思う主人公は、 土地神にならないように…… という流れです。 ゲームは、マップ上の場所を選択していく方式です。 (ただ、マップ上にはどのヒロインがいるのかはわかりません) 場所を選択することによって、イベントが発生し、その積み重ねでルート分岐します。 ヒロインは、 幼馴染の本多静流、本多優奈、 同級生の白神香織、 教師である桜井さやか、 の4人になりますが、これ以外にも多くのサブキャラが存在しそれぞれが個性豊かな性格をしています。 また、そういったサブキャラが頻繁に暴走し、ドタバタした作風を演出します。 作風は軽いノリの雰囲気で進行するドタバタ系の内容になっています。 笑えるかどうかはともかく、明るく楽しい雰囲気は全体的に見られます。 ややムリのある設定もありますが、作風的なノリで強引に突き進むという…ある種のアニメっぽい設定が目立ちます。 神であるリンゲツカビノキヌ(通称りんぐ)の存在もコメディタッチであり、 ある種の……ノリを楽しんだ者勝ち…みたいな雰囲気があります。 シナリオは淡々と進行し、ラスト付近になってから展開しだすパターンです。 最終的には恋愛的な方向にシナリオが向かい、 一応は純愛系…というカタチのシナリオでしょう。 エロは中盤(夢オチ?)とラストのみです。 描写的にはそこそこ丁寧だと思います。 また、絵はアングル位置の取り方で、エロく見えます。 ただ、作品の内容的に見ても、エロはオマケでしょう。 どちらかと言うと、ドタバタした部分の描写を全面的に押し出している印象です。 |
絵は、美麗です。 塗りも上手いと思います。 立ち絵は2アングルの若干のポーズ違いに表情違いになります。 変化はそこそこしますが、ポーズが大きく変化しないのがネックだと思います。 1枚絵は、イベント絵の表示が適度にあり、良い感じです。 エロ絵はアングル位置の取り方が上手く、下半身を強調した構図が主になりエロく見えます。 システム面は、さほど不満は感じません。 快適にプレイできました。 ボイスは主人公以外のフルボイス仕様です。 BGMは作風に合っていると思います。 |
プレイした印象は、 普通、あるいはややイマイチな出来です。 作風的にノリを前面に押し出してはいますが、騒がしいだけで面白くありません。 内容的に薄っぺらさが目立ち、 各イベントで明るくドタバタした雰囲気があるにもかかわらず、ほとんどが印象に残らないものばかりです。 また、イベントの前後関係がなく単発イベントが多いのも特徴です。 これは、マップ上の選択にしたことが原因だと思いますが、 こういった単発イベントの積み重ねが印象の薄さを強調していると思います。 イベント数でみれば数は多いのでしょうが、似たり寄ったりのイベントが多く、 またオチも同じような終結のさせ方だったりで、やはり同じようなイベントばかりを見させられている印象を与えるでしょう。 ゲームの目的も今一つ掴みどころがなく、 最初に出てきた「土地神候補」という設定が浮いています。 最終的にはお互いの気持ちが通い合った…というような純愛系に帰結してしまい、結局このシナリオで向かうべきベクトルを見誤っているような印象を受けます。シナリオは、りんぐを中心とした主人公とヒロインの恋愛を補佐するような役目を担っていることは確かですが、ゲームの始まりと終わりに一貫性が感じられません。 更にシナリオには起承転結はありますが、「転」の描写がやや薄い傾向があります。 また、シナリオの展開がラスト付近に集中していることから、後半はやや足早に進む印象はあります。 ただ、ゲームが元から11日間を規定していることから、 ラスト付近の展開は予測が出来るために許容できる範囲にあると思います。 細かい部分を見れば粗が目立ちますが、作風的にドタバタ風のタッチにしたことで飽きさせない…ような作りにはなっていると思います。 絵に関しても1枚絵のイベント絵などの演出も最低限のものはありますので、 無茶苦茶酷いような印象は受けないと思います。 ゲームは、細かい部分を気にせずプレイすれば、そこそこの内容はあります。強引ではありますが、ドタバタコメディの作風が好きであれば問題はないでしょう。 このノリをいかにプレイヤーが楽しめるかがキーポイントだと思います。 |