Blue Destiny | |
STRIPE feat.戯画 | 2006/06/30 |
ディレクション:前山信頼 | |
シナリオ:前山信頼/阿井志麻子 | 原画:水城たくや |
立ち塞がる難題をヒロインと乗り越えていく…という内容のAVG。 剣、魔法というようなファンタジーの世界観が背景になっています。 主人公は、亡き師匠の工房を受け継いだ鍛冶師。 高名だった鍛冶師の師匠に比べ、主人公は貧乏で借金を積み重ねる。 そんな中、工房で見つけた一つの槌。 これには雷神となのるミョルニルが宿った槌だった。 …という流れです。 作品は、人の思いを糧にして武器を作るというミョルニルの力で、武器を作っていく… のが主軸になっていきます。 また、人の思い…というのはHなイベントを通した登場人物達の思い…という設定のため、 ライトなHイベントが描写されていきます。 シナリオは5話構成のストーリーになっており、 それぞれ、前フリとなるイベント。 そして、それに繋がるHイベント。 ミョルニルの力を使った武器製造… というものが1つのセグメントとなっており、これが1つの話の区切りです。 作品の雰囲気は、登場人物達の性格からか、 シリアスさ…というものは感じ取られず、明るく賑やかな会話を通したイベントが多くあります。 登場ヒロインも多い…というのもポイントでしょうか? 描写は淡々としており、丁寧さが欠けている傾向があります。 シナリオはテンポよく進行しますが、 イベントがやや尻切れしている感じもあります。 イベントを丁寧に掘り下げてプレイヤーに伝えるような作風ではなく、 作品の雰囲気やノリを楽しんでいくというものでしょう。 Hシーンは、設定上のために、序盤から適度に発生していきます。 しかし、ライトな感じのHシーンであり、 本番があるのは千早の出会いのイベントを除くとラスト付近のみです。 Hシーンも、通常イベントと同じように途中で終了してしまう傾向があります。 描写的には普通だと思いますが、途中で終了しているためにエロには期待しない方が良いかと思います。 作品は、終始ライトな印象を崩さない作りで、 理解しやすい内容と相俟って、気軽にプレイできる内容といえるでしょう。 |
絵は、美麗のレベル。 絵のタッチからか、やや幼く見えるキャラもいますが、この辺は好みの問題かと。 1枚絵は、エロ絵中心です。 キャラクター数が多く、一人に割り当てられているCG数は、メインキャラとサブキャラでは差があります。しかし、全体的に見るとやや少なめ…のような気がします。 立ち絵は、3アングルで弱冠のポーズ違い、更に表情違いとなります。立ち絵の変化は、会話に合わせて頻繁に変わる…という印象があり、この辺の演出は良い感じです。 システム面は、特に不満は感じませんでした。 エフェクトも切れていますし、テキスト送りも問題ありません。 ただ、スキップの既読判定がないようなので、この辺にストレスを感じる人がいるかもしれません。 ボイスは女性のみです。 BGMは、作風にあっているかどうかは……やや疑問です。 |
プレイした印象は、 印象に残るものがほとんどなく、 否定する要素もなければ絶賛する要素もない…という感じです。 イベントを次々に発生させていくようなシナリオの展開ですが、 イベントを発生させる要因になる部分の描写が弱く、 ただただテキストを読み進めていく作業をする傾向になります。 シナリオで作品に惹きつけられる力が完全に不足している…と感じるものの、 立ち絵の演出やテンポ良いシナリオの進行と相俟って、 飽きさせない作りにはなっていると思います。 登場人物の多さと個性を前面に打ち出しているのも功を奏しているかもしれません。 シナリオは、ラストで動き出します。 これは、共通パートが90%近くあることが起因していると思われます。 傾向としては、突如立ち塞がる難題をヒロインと主人公が打開していく…という前向きな内容です。 予定調和な展開であり、決定的な面白さは感じませんが、悪くもない出来になっています。 ただ、ラストに突然新しい人物が登場して、 それがヒロインルートに大きく影響を与える人物になっていたり、 ラストに新しい設定が突如出てきたりと、 まさしくとってつけたような都合の良いエンディングではありますが…… 全体的に使い捨ての設定が多く、シナリオに有効利用されないままに終わっているのが残念です。 そのため、消化不良っぽさが漂う内容に感じます。 |