ふた魔女
TEA TIME 2005/9/22
シナリオ:Re-born 原画:うさぎねずみ

主人公の中に眠る魔王。そして主人公の前に4人の魔女が現れる…という話。

主人公が内に秘める魔王の魔力(痴漢目的?)を使って魔王に近づいてしまうかどうか…という話の展開になります。実際には、魔法学園に通っているということで、4人のヒロイン(魔女)と主人公の妹が繰り広げるドタバタコメディという趣の傾向にあります。
よって、大半は学園生活における日常的な部分がメインに描かれていきます。話のテンポはひじょうに良く、軽快に進みます。そのためか、シナリオ上のシリアスな部分においてもやや緊張感に欠けてしまうように映るのは否めません。
ラストもテンポ良くシナリオが展開するのは良いのですが、明らかに描写不良です。また、エンディングに繋げる部分の展開も強引で説得力が全くありません。エンディングは予定調和にハッピーエンドですが、本当にハッピーエンドになっているのかどうか……という部分で、もどかしさを逆に感じてしまいました(シナリオ自体の解決が描写されているように思いません)。
エロシーンは中盤以降適度に発生しますが、エロシーンに入る展開がかなり強引に見えます。


絵はかなり良い感じです。1枚絵、立ち絵も十分美麗の範疇に入ります。また、立ち絵のパターンも多く、1キャラにつき3パターンぐらいはありそうです。立ち絵の変化も頻繁にありますし、日常会話部分での立ち絵+テキスト処理でも飽きが来ない作りになっています。
1枚絵はイベントCGは枚数的には多いように見えますが、必要な部分にCGがない…という傾向があります。
しかし、背景の使い方やBGMの演出、立ち絵の演出など、こういった部分ではかなり上手い作りになっているので、ゲームとしては最低限のものを提供してくれているという印象を受けます。

システム面はさほど気になる部分はありません。

ボイスは女性のみで、キャラに合っているという印象です。ただ、2人同時で言う台詞が決まってズレて聞こえるのですが……
主題歌が微妙に手です。章毎に主題歌が挿入されるのが苦痛です。毎回主題歌を挿入するのであれば、もっと上手い歌を披露して欲しいです。


プレイした印象は、普通の出来です。
序盤から中盤にかけては、結構面白いかなぁ〜〜という感じで進みますが、後半はかなり急ぎ過ぎなテンポでシナリオが進みます。正直、ついていけません……。シナリオ的に難解な部分はないのですが、最終的な部分で中途半端な感じで終了し、シナリオの根本的な部分が解決してないように思います(勘違いでしょか?)。
また、突然エンディングを迎えた…という感は否めなく、エンディングによっては話が飛躍しすぎて意味不明です。そしてそれでいて、完全な予定調和なラストです。エンディング自体は、何の捻りもなくストレートな展開で面白くありません。まぁ、軽快に終わってスッキリしたい人向けでしょうか…?
良い部分は、ビジュアル面での演出。立ち絵の変化が大きいので、さほど飽きることはありません。ドタバタ系ですし、話のテンポも軽快に進むということで、日常的な学園生活を描いたパートでも悪くはないという印象を持ちました。
ただ、前半に撒いた布石が後半で物凄く期待させるものがあるだけに、実際のラストのお粗末な出来に落胆してしまいます。
感想としては、前半の日常会話部分のドタバタしたところでまだ楽しめたかなぁ…?…という印象ですね。そういったドタバタ・賑やか…といった学園生活会話を楽しみたい人には合うゲームかと。
ということで、魔王とか魔女とか魔法とか……あまり深く考えてプレイしてはいけませんね……


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