かみさまの宿っ! | |
ホワイトサイク | 2006/04/07 |
企画・和泉万夜 | ディレクション:和泉万夜/清白みやび |
シナリオ:でぇすて/神代いづみ/天崎カケル/和泉万夜 | 原画:金たロウ |
自称・神様を名乗る主人公。 未練を残し、成仏しきれない魂を、神様の宿に導く。 ちょっとHで、ノリの軽い性格の自称・神様が繰り広げるドタバタ系の内容です。 ライトで軽快な作風であり、 ドタバタ系…というより、 やや騒がしいだけという雰囲気の方が強いかもしれません。 ヒロインは既に現世では死んでいて、 そして神様の宿に来ることによって、自分の残した未練と直面していく… という展開になります。 日常的なパートは、ヒロインとの会話の掛け合いがメインとなります。 ボケ、ツッコミ…というパターンではなく、 ちょっとHな性格の神様に鋭いツッコミが入るという、 やや自虐的なパターンが多い傾向にあります。 登場人物は、 藤宮若菜、倉橋愛美、夏樹薫、高原翔子、柏原雅であり、 途中から長谷川朱美、神薙ほとり、死神が加わります。 基本的な路線は、前述の通りの日常的なパートが多く占めますが、 稀にシナリオの核となる話が挿入されていきます。 シナリオには、悪霊が襲ってくるイベントが随所にありますが、 さほど重要視されているような描写ではなく、 全体的にヒロインとの会話の掛け合いが多く描写されているという印象です。 ゲーム前半で、日常的なパートを中心に描写されていき、 そして中盤〜終盤に向かって展開していきます。 終盤はヒロインの未練に関することがメインとなる話ですが、 さほどネチっこく描写はされず、 終始、ライトな感じの作風は崩されていません。 また、主人公である神様の目的は、 ルートをクリアすることによって描写される話が関係しており、 全ては藤宮若菜のルートに集約される形態になっています。 そのため、この作品のシナリオは、全てのシナリオをクリアした一連のストーリーの流れ… ということになります。 ゲームは、選択肢を選んでいくオーソドックスなAVGであり、 場合によっては時間制限のある選択肢があります。 選択肢によるヒロインの好感も目に見えてわかるようになっているシステムです。 エロシーンは、ルートによって描写がかなり違うような印象があります。 ただ、CGの使い回しは全編に渡って共通しており、 同一ルートのエロシーンは絵に変わり映えしないだけに、 どれも同じに見えてしまいます。 回数は、ルートによって違います。 |
絵は……キャラクターのデザインは、好みが分かれるかもしれません。 塗りは普通…というレベルで、美麗だとは認識できます。 立ち絵は、1アングル固定で、あとは表情違いだけです。 そのため、立ち絵自体は変化がほとんど感じられませんが、 シナリオ上、複数のキャラクターと会話のやり取りをするケースが多いために、 1人のキャラクターが変化するより、 画面に表示されるキャラクターが次々に変わっていく… という変化の方が大きいという傾向があります。 システム面は、画像エフェクトが切れないので、 ややレスポンスが悪く感じますが、 慣れれば気にならないレベルです。 テキスト送りは快適です。 しかし、フォント色が悪く、文字を見難くしています。 ボイスは、主人公以外のフルボイス仕様です。 BGMは当たり障りのない音。 |
プレイした印象は、 普通の出来…という感じでしょうか… 主人公の性格が、ちょっとHで、ノリの軽い…ということで、 終始、明るい雰囲気、そしてドタバタっぽい掛け合いの会話、 という部分においては、それなりに惹きつけられるものは感じましたが、 終始同じテンポ、変わり映えしない内容…ということで、 段々飽きてきます。 シナリオの展開に起伏はなく、起承転結も感じない展開です。 物語性としては(藤宮若菜のシナリオを除いて)皆無のような内容であり、 結局は日常会話をメインとしたヒロインとのやり取りを楽しむ内容でした。 一応、シナリオはラストの部分だけは動きますが、 予定調和な展開と相まって、さほど印象に残るものがありません。 主人公の本当の正体、 そしてヒロインが成仏できない理由となっている現世での未練… そういったものに執着しているシナリオではありません。 神様のことに関しては、全てが藤宮若菜のシナリオに関係しているため、 その他のルートが短絡的な作りに感じます。 藤宮若菜のルートに関しては、 主人公である神様と藤宮若菜の関係が上手く描写されています。 神様が藤宮若菜を好きになる説得性も感じます。 しかし、その他のルートは、主人公とヒロインの関係の描写が希薄です。 実際のこの作品でも決定的に悪い内容だとは思いませんが、 もう少し、各ルートでストーリー性のある方向へベクトルを向ければ、 シナリオにメリハリが効いて良いのではないでしょうか? 現状の作品では、全てのシナリオをクリアすることによるシナリオのネタの部分を楽しむ内容であり、個別ルートはどちらかというと、最終的なネタの部分に向かうためのオマケ的な位置付けのようにも感じます。 最終的には、(死神でありながら)彷徨える魂を納得のいく成仏の仕方を用意する自称・神様の慈悲深い考え・行動を次の死神へ伝えていく… という、一人の人間(主人公)の生き様を描いた作品です。 こういったメッセージ性のある内容に共感するかどうか… が、この作品を面白いかどうかと思える要素になっているのでしょう。 |
2006/07/19 |
「かみさまの宿っ!」プレイ中…… 自称・神様を名乗る主人公。 彷徨える魂、成仏できない魂を、神様の宿に導く。 そして、魂が成仏するまで、その宿に…… 神様の正体は…? といのが基盤になっているようだが、 ほとんど日常パートに費やされる。 日常パートは、ややドタバタっぽい掛け合いで、 軽いノリの会話のやり取りがされる。 〜〜倉橋愛美ルート〜〜 倉橋愛美は現世では病人だった。 恋に恋焦がれる少女で、恋とは本の世界での話だった。 恋をする前に死んでしまったことが未練になっている。 と、まぁ、内容的には薄い。 中盤でヒロインとHシーンがあるけど、 ルートが進行するのはラスト周辺だけ。 ひたすらヒロインとの会話の掛け合いが行われ、 最後だけ成仏する理由が述べられてお終い…と。 エンディングは転生ネタだった。 予定調和…とも言えない内容かな。 内容が、ハッキリ言って無い。 日常会話で埋め尽くされたシナリオ。 中盤、死神が宿に来たときは、ややシナリオが動きかけたが、 結局その後は日常パートが続いた。 神様の正体は中盤で明らかになるけど、 宿の住人の反発も何もないし、一体何だったんだ…? とも言えるイベントだ。まぁ、この辺は別ルートの伏線だろうけどね。 このルートは、シナリオの展開が薄いし、起伏もないし、起承転結も感じられない。 結論:面白くなかった…と。 軽いノリの日常会話が好きな人向け。 |
2006/07/21 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜夏樹薫ルート〜〜 夏樹薫の未練 通学・通勤ラッシュの電車。 そこで目の不自由な人が線路に落ちた それを助けようとして電車に轢かれて死んだ 結局助けられずに、自分も死んだ が、実際は男は助けられて薫だけが死んだ。 夏樹薫は未練を持つ必要がなかった。 ということ。 シナリオは起伏がないし、起承転結も感じない。 シナリオはラストの部分だけだし…… 惹かれる要素もない。 日常パートが多いし、変わり映えしない展開をダラダラと読んでいるだけ。 結論:面白くない。 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜長谷川朱美ルート〜〜 バンドのボーカリスト。デビュー前に死んだ 人前で歌えなかったことが未練 レコードを出す段階で、 痴愚人たちに色々と指摘されストレスに。 そして声が出なくなった そして自殺 これまでと同様。ダラダラしてただけ。 結論:面白くない。 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜高原翔子ルート〜〜 高原翔子はトラックに轢かれて死んだ…と思っている。 しかし、現世では彼女は今でも入院しており、 まだ生きていた。 ……まぁ…変わり映えしないな。 読む気も失せてきたよ…… |
「かみさまの宿っ!」 〜〜神薙ほとりルート〜〜 ドキドキしない女の子。 未練はそれか? 現世では銀行強盗の人質にされ、 車に乗せられて、その車が事故して死んだ 神薙ほとりをドキドキさせようと必死になる神様…という展開 しかし、ほとりは、最初から成仏できる立場にいた。 神様を好きになってしまい宿に居座り続けた… まぁまぁ面白くは感じた。 でも、最後だけだけどね。 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜藤宮若菜ルート〜〜 藤宮若菜は祖父の宿を引き継いだが、 藤宮若菜のせいで宿が火事になってしまった。 神様は、そのときに若菜を助けようとして死んだ その後、神様は若菜の祖父(死神)から救われた。 若菜の祖父から力を貰い、死神になった。 若菜の祖父は、彷徨った魂を鎌を使わずに解決していった。 それを神様もまねている そして神様の宿は、若葉のために神様が建てた 若葉の望みは、女将になること。 宿にいた皆が昇天し、若菜は女将になる勤めを果たし成仏するが…… 昇天の途中で新しい未練が芽生えた。 若菜の新しい未練は…… という流れ。 このルートは素直に良かった。 死神となり神様と名乗る主人公。 その原因がすべて藤宮若菜にあるという部分で、 このシナリオの設定自体が藤宮若菜のためにある…という感じ。 お互いの思いも上手く描写されていたし、 このルートだけは他のルートよりもシナリオのクオリティが違うと感じる。 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜死神ルート〜〜 オマケっぽい感じのシナリオ。 |
「かみさまの宿っ!」 〜〜柏原雅ルート〜〜 男なので、攻略ヒロインではない。 雅の幼馴染の女の子・真の死を通して、 主人公である神様が、雅に死神という役柄を継承させる話。 まぁ…これもオマケだな。 作品を終結させる話なので、個別的なルートの意味合いは薄い。 |
「かみさまの宿っ!」終了 ウ〜〜ン…… 面白いか、面白くないか…の二択だと、 面白くない。 でも、普通かな。 とにかく個別ルートが面白くない。 シナリオは、全てのルートを終結させることを目的としている内容で、 全ては、自称・神様が、死神となった経緯、 そして、死神としての職務は勤めるが、人情を第一に敬うことを目的とし、 成仏は強制的にするものではなく、 その魂の未練を取り除くことを目的として活動する…という考えを描き、 その考えを次の死神に継承させる… という話だった。 主人公は、若菜を助けて死んでしまったが、 若菜の祖父が死神という役職で、 その若菜の祖父の死神の職務の方法を主人公が引き継いだ。 その第一歩として、神様の宿を作り、そこへ若菜を招待。 若菜の未練を取り除くことにした。 一方で、主人公の未練は、火事で死んだ若菜を助けられなかったこと。 だから、若菜が成仏すれば、主人公の死神としての役目も終わってしまう。 そして、次の死神に雅を選んだ……ということなのだろう。 雅のルートの最後でも、主人公と若菜が一緒に旅立つシーンが挿入されている。 ということで、作品全体としての面白さというか…ネタは良いのだが、 何分、個別ルートが退屈だ。 ダラダラしているし、シナリオも薄い。 恋愛的な部分も薄いし、テキストを読む作業をしてるだけだった。 |