サウンドデバイスが無いと起動しないので、この測定ではオンボードデバイスを使用して測定。
スコアは平均フレームレート…だと思われる。
絶対評価としてはスコア30で「S」判定となるので、ハイクオリティの設定でスコア30を超えるかどうかが指標となる。
ゲームは画質を重視しないとマトモに見れないため、ノーマルでの測定は割愛する(クオリティでもほぼ意味は無い)。
- Windows7 Pro x64、PhenomII x4 905e環境下の結果(グラフ)
解像度:1024x768

解像度:1600x1200

上グラフのスコアの挙動を見ると、設定の「クオリティ」と「ハイクオリティ」の差が激しい。
これは解像度を変更することによる負荷よりもシェーダ処理がひじょうに重いことが伺えるのがわかるだろう。
また、GeForce9xxxの状態を見ると1024x768の「クオリティ」状況下のGF9400GTですら何らかのボトルネックが働いている。
「ハイクオリティ」だとGF9600GTのスコアが頭打ちになっている。
このベンチマークツールの特徴として、ベンチスコアの頭打ちがハイスペックGPUだけではなく、すでにロー/ミドルスペックのGPUで起こっている。
他のベンチツールでよく見られるスコアの頭打ちの傾向は、低負荷の状況下でCPUの処理能力が不足しているときに起こる。
そのため、ある程度のCPU処理能力がある環境であれば、上位スペックのGPUで限定的に起こる症状だ。
しかし、「リアル彼女」ベンチマークは高解像度の設定で測定してもロー/ミドルスペックのGPUでスコアが頭打ちになる。
つまりスコアの挙動だけを評価すると、ベンチ測定時にGPUへかかる負荷が根本的に軽いということになる。
実際にこのゲームエンジンでどういった処理をされているかはわからないが、下記でボトルネックとなる要因の考察をする。
まずはこのスコアの頭打ちがCPUによるボトルネックかどうかを確認する。
下記にWindows7 Prox64環境下でのCPUボトルネックの状態を記す。
OC(オーバークロック)は倍率変更を行い、FSBの変更はない。
- PhenomII x2 550BE/OC:200MHzx17
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForceGTX285 | 56 | 45 | 53 | 42
| GeForceGTX280 | 54 | 45 | 55 | 40
|
| GeForce9800GTX+ | 54 | 43 | 55 | 37
| GeForce9800GT | 52 | 41 | 54 | 34
| GeForce9600GT | 53 | 39 | 54 | 28
| GeForce9500GT | 53 | 26 | 42 | 14
| GeForce9400GT | 41 | 14 | 23 | 7
|
- PhenomII x2 550BE/定格:200MHzx15.5
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForceGTX285 | 50 | 42 | 49 | 38
| GeForceGTX280 | 49 | 42 | 51 | 38
|
| GeForce9800GTX+ | 51 | 41 | 50 | 36
| GeForce9800GT | 50 | 39 | 50 | 32
| GeForce9600GT | 50 | 37 | 49 | 28
| GeForce9500GT | 50 | 26 | 41 | 14
| GeForce9400GT | 40 | 14 | 23 | 7
|
- PhenomII x4 905e/定格:200MHzx12.5
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForceGTX285 | 42 | 37 | 42 | 35
| GeForceGTX280 | 42 | 36 | 42 | 34
|
| GeForce9800GTX+ | 42 | 36 | 42 | 33
| GeForce9800GT | 43 | 36 | 41 | 30
| GeForce9600GT | 42 | 34 | 41 | 28
| GeForce9500GT | 42 | 26 | 40 | 14
| GeForce9400GT | 39 | 14 | 23 | 7
|
※上記Table中の灰色のセルは、CPUのボトルネックによるスコアの頭打ちを示す。
結果として、スコアが頭打ちになる要因にCPUの処理能力が足りない。
また、PhenomII x4とPhenomII x2を比べるとデュアルコアCPUの方でスコアが伸びやすいという結果が得られた。
下記にWindows7 Prox64環境下でPhenomII x2 550BE、PhenomII x4 905eを使用したときのCPU使用状況を記す。

Fig.PhenomII x4 905e/GeForce9800GTX+/設定:1024x768,クオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→クオリティでのクアッドコアCPUのボトルネックが激しいときのCPU使用状態。1コアの使用率が高い。

Fig.PhenomII x4 905e/GeForce9800GTX+/設定:1600x1200,ハイクオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→ハイクオリティでのクアッドコアCPUのボトルネックが激しいときのCPU使用状態。

Fig.PhenomII x4 905e/GeForce9500GT/設定:1600x1200,ハイクオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→ハイクオリティでCPUによるボトルネックが改善されたとき。GPU処理になると4コアの使用率がほぼ同率になる。
ハイクオリティだと前半の部屋のシーンと後半の海辺でのシーンの処理の重さが違うようだ。

Fig.PhenomII x2 550/GeForce9800GTX+/設定:1024x768,クオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→クオリティでのデュアルコアCPUのボトルネックが激しいときのCPU使用状態。1コアの使用率が高い。

Fig.PhenomII x2 550/GeForce9800GTX+/設定:1600x1200,ハイクオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→ハイクオリティでのデュアルコアCPUのボトルネック時CPU使用状態。2コアはほぼ同率になるもののボトルネック。

Fig.PhenomII x2 550/GeForce9500GT/設定:1600x1200,ハイクオリティ/ベンチのCPU使用率を監視
[縦軸:CPU使用率(%)/横軸:時間]
→ハイクオリティでCPUによるボトルネックが改善されたとき。CPU使用率が全体的に落ちる。
上記の傾向からすると、このベンチマークツールはCPUのマルチコアに対応しないようである。
基本はシングルコアでの処理であり、処理が追いつかないとプロセスを処理するコア数が増えるタイプか。
また、CPU使用率は上限90%として制御されているような感じ。しかし、これはCPUとGPUの組み合わせによるものかもしれない。
デュアルコアでのCPU使用率のグラフを見ればわかるとおり、ボトルネックが酷いときは1コアのCPU使用率が異常に高い。
ボトルネックが緩くなると、マルチコアのCPU使用率が同率になり、更に緩和されるとCPU使用率が落ちる。
その傾向はクアッドコアのCPU使用率グラフにも見られる。
これらCPUによるボトルネックの改善や、CPU使用率のグラフから推察すると、ベンチスコアはCPUの1コアあたりの処理能力に大きく依存している。
PhenomII x4 905eよりもPhenomII x2 550BEでボトルネックが改善される点や、
CPU使用率グラフでシングルコア処理を優先される点などから考えても、CPU単体の性能よりコア単体の性能差の影響が大きいと思われる。
下記にそれぞれのCPUの処理能力を示す。
ベンチマークは、CrystalMark2004r3のCPUベンチマークを示し、それぞれ整数演算、浮動小数点演算である。
- Table.PhenomII x2 550BEのベンチマーク
ALU | x2 550BE (2core) | x2 550BE (1core)
| Fibonacci | 9308 | 4862
| Napierian | 4150 | 2111
| Eratosthenes | 3649 | 1871
| QuickSort | 7379 | 3706
| FPU | x2 550BE (2core) | x2 550BE (1core)
| MikoFPU | 2981 | 1499
| RandMeanSS | 11958 | 5640
| FFT | 4797 | 2425
| Mandelbrot | 3801 | 1917
|
- Table.PhenomII x4 905eのベンチマーク
ALU | x4 905e (4core) | x4 905e (3core) | x4 905e (2core) | x4 905e (1core)
| Fibonacci | 14662 | 11037 | 7639 | 3976
| Napierian | 6641 | 5002 | 3397 | 1707
| Eratosthenes | 5745 | 4305 | 2966 | 1509
| QuickSort | 12010 | 8950 | 6075 | 3034
| FPU | x4 905e (4core) | x4 905e (3core) | x4 905e (2core) | x4 905e (1core)
| MikoFPU | 4799 | 3570 | 2418 | 1208
| RandMeanSS | 18579 | 14289 | 9941 | 5006
| FFT | 7596 | 5757 | 3907 | 1957
| Mandelbrot | 6125 | 4572 | 3088 | 1549
|
PhenomII x2 550BEはPhenomII x4 905eよりも1コアあたりの処理能力が速い。
この「リアル彼女」ベンチマークにおいては1コアあたりの処理能力の方を重視しないといけない。
一方でベンチスコア頭打ちの原因がCPUによるボトルネックと仮定し説明してきたが、これは1つの要因であって、全てではないと思われる。
このベンチマークツールは、処理がひじょうに重い割にはGPUへの負担が軽い。
これはロークラスGPUであるGF9400GTですらスコアの頭打ちが生じている点から見ても明らかだろう。
ゲームのエンジン自体がGPUにあまり依存しないようになっているのかもしれないが、
もしかすると他の要因でもボトルネックになっている部分があるのかもしれない。
そしてこのボトルネックとなる要因の解決策として1コアあたりの処理能力の高いCPUを選択すること…が1つの手段に成りえる事は確かだ。
ベンチマークの測定標準環境が「1024x768/ハイクオリティ」だとする。
PhenomII x2の3.6GHz駆動、[PhenomII x2 550BE/OC:200MHzx18]の状況下でGeForce9600GTを使用したとき、[PhenomII x2 550BE/OC:200MHzx17]よりもベンチスコアが伸びる。
- PhenomII x2 550BE/OC:200MHzx18
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForceGTX285 | 57 | 47 | 57 | 42
| GeForceGTX280 | 56 | 46 | 57 | 41
|
| GeForce9800GTX+ | 56 | 46 | 57 | 39
| GeForce9800GT | 55 | 43 | 56 | 34
| GeForce9600GT | 56 | 40 | 56 | 28
| GeForce9500GT | 56 | 26 | 42 | 14
| GeForce9400GT | 41 | 14 | 23 | 7
|
つまりGeForce9600GTですらGPU本来の性能を発揮できていない。
仮にGeForce9600GT以上の性能を持つGPUに変えたとしても、このボトルネックとなる要因を解決することはできない。
根本的なボトルネックとなる要因を排除しない限りGPUを変えたところでパフォーマンスアップに繋がらないことを留意しなければならない。
CPUの換装でボトルネックとなる要因を排除する場合、現状のAMD CPUラインナップのPhenomII x2(Callistoコア)では「リアル彼女」ベンチマークでハイエンドGPUの性能を引き出すのは到底不可能のような感じだ。
ましてやハイエンドCPUのクアッドコアに期待できるかというと……上記までの経緯/結果からして期待できるものではないだろう。
CPUの選択肢としては、1コアあたりの処理能力を重視することからして、Intel系CPUの方が有利だと思われる。
メーカー(Illusion)が推奨するCore i7が良いのかもしれないが、Core i7がマルチコアであるが時点で処理能力的にGPUの性能を最大限に発揮できるとも思い難いのだが……。
「リアル彼女」をベンチマークツールとして評価するなら、1コアあたりの性能を見るためのCPUベンチ。
ハイエンドGPUの性能差を見れるようなマシン環境を構築するのはかなり難しい。
- Windows7 Pro x64、PhenomII x4 905e環境下の結果
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForce9800GTX+ | 42 | 36 | 42 | 33
| GeForce9800GT | 43 | 36 | 41 | 30
| GeForce9600GT | 42 | 34 | 41 | 28
| GeForce9500GT | 42 | 26 | 40 | 14
| GeForce9400GT | 39 | 14 | 23 | 7
|
| GeForce8800GTX | 42 | 34 | 42 | 30
| GeForce8800GT | 43 | 36 | 42 | 30
| GeForce8800GTS | 42 | 32 | 43 | 24
| GeForce8600GT | 42 | 22 | 35 | 12
| GeForce8500GT | 28 | 10 | 16 | 5
| GeForce8400GS | 22 | 9 | 11 | 4
|
| GeForce7950GX2 | 33 | 14 | 28 | 9
| GeForce7950GT | | | |
|
| QuadroFX1500 | 22 | 9 | 18 | 5
|
- WindowsXP Pro x86-32、PhenomII x4 905e環境下の結果
| 1024x768 クオリティ | 1024x768 ハイクオリティ | 1600x1200 クオリティ | 1600x1200 ハイクオリティ
| GeForce9800GTX+ | 41 | 30 | 41 | 28
| GeForce9800GT | 41 | 30 | 41 | 26
| GeForce9600GT | 41 | 28 | 41 | 25
| GeForce9500GT | 41 | 24 | 39 | 14
| GeForce9400GT | 38 | 14 | 23 | 7
|
| GeForce8800GTX | | | |
| GeForce8800GT | 41 | 30 | 41 | 26
| GeForce8800GTS | | | |
| GeForce8600GT | 41 | 21 | 35 | 12
| GeForce8500GT | 28 | 10 | 17 | 5
| GeForce8400GS | 22 | 8 | 12 | 4
|
| GeForce7950GX2 | 33 | 14 | 28 | 10
| GeForce7950GT | | | |
|
| QuadroFX1500 | 23 | 9 | 18 | 6
|
|